コロナ禍の中、ストレスにより「喫煙を始めた」あるいは「禁煙していたのにまた喫煙を始めた」「喫煙量が増加した」という人が増えているように感じておりますが、皆様の周りはいかがですか?
この度、コロナ禍のストレスにより「喫煙量が増加した」という女性が増えているという調査結果が発表されました。「受動喫煙が増えた」と感じている女性も多いとのこと。これは、コミュニティアプリ「みんチャレ」を展開しているエーテンラボが5月に発表した調査によるものです。その調査結果によると、コロナ禍により「喫煙量が増加した」という人の割合は、男性では21%、女性は38%と、女性は男性の約2倍でした。
さらに、国立がん研究センターが行った「新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査」では、「新型コロナによるステイホーム・在宅勤務などで同居人の喫煙による受動喫煙は増えたか?」という質問に対し、10.6%が「増えている」と回答しています。対して、減っていると答えた人はわずか 1.6%でした。
コロナ禍の中、どうしても禁煙できない人が、電子タバコであれば従来のタバコに比べ安全だと思って、電子タバコに変える人が増えています。しかし、残念ながら、電子タバコであっても心臓病や脳卒中のリスクは高くなるという研究も発表されました。若者を中心に急速に普及している新型の電子タバコを吸っていると、細い血管の拡張機能が低下し、血圧や心拍数が上昇し、血栓ができやすくなる可能性があるという研究を、ヨーロッパ呼吸器学会が発表しました。
新型コロナウイルス感染症は、過度の炎症、血小板活性化、内皮機能不全、およびうっ血などにより、動脈系・静脈系の両方で血栓性疾患を起こしやすくなるとの報告が蓄積されてきています。また、アストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起き、男性に比べて女性、特に若い女性の方が頻度が高いと報告されています。しかし、上記のようにタバコによる影響も否定できません。
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喫煙者が新型コロナウイルスに感染した際には、重症化しやすいというデータもあります。女性ばかりでなく、喫煙男性にとっても他人事ではないことを自覚すべきでしょう。禁煙したい人は、電子タバコに変えるのではなく、きちんと自覚をもって禁煙しましょう。どうしても禁煙ができない方は、東京クリニックの禁煙外来を受診してください。